香港におけるマンション・リノベーションに関する研究 香港の都心地域には、築30年以上が経過した9,300の建物があり、その中に、問題があるとされている2000の建物が含まれている。これらは、所有者が適切な保守、修繕を行ってこなかったこと、多くが建築基準のはるかに低かった1960年代に完成しており、大変荒れ果てた状態になっている。再開発において古い建物群を取り壊し、新しい建物を建設し居住者を再定住させてきた。しかし、大規模な再開発で都市再生を行ってきた反面、そこにあった地域性・ライフスタイル・文化は失われてしまった。 URA(都市再生機構)は建物再生物資援助制度(専門的・技術的サポートの無料提供)・建物再生ローン制度・第三者賠償責任保険(ビルの共有部分で生じた事故に対し、所有者を第三者賠償責任から守る保険補助金)などを通して、個々の事業に焦点を当てるのでなく、都市のより広い断面に利益をもたらす政策を行い、居住者のいる歴史的な建物の広い意味での保全と、貧しい人々の住環境改善のため必要とされる再開発事業の微妙な均衡を保つよう努めている。
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