国登録有形文化財・日本聖公会川口教会

被災直後と復旧後の外観

before

after

被害状況

震災復旧後の室内

 大正9年竣工。主体構造は煉瓦造・屋根木造鋏トラス。
 所在地:大阪市西区
 
激しい液状化現象によって、鐘楼が大きく沈下して傾斜。これに伴い南側正面や西側の煉瓦壁面に大亀裂が発生。木造床組が陥没し、屋根トラスが大きく破損。基礎は不同沈下により各所で折損。地下ボイラー室は水没。
 鐘楼については余震による倒壊防止のため、一部を緊急解体。鐘楼基部の光庭を埋め戻して、復旧対策の検討に入る。平成8年5月本工事着手。同9年7月竣工。

 工事内容は下記の通り。詳細は付図参照。
1)地盤対策
 建物内外の約20ヶ所に深さ約32mの天満礫層に達する鋼管杭を施工。杭頭部に鉄骨と鉄骨鉄筋コンクリートを併用した新規の基礎梁をアンダーピニング。
 その後、不同沈下した煉瓦建物の基礎を逐次ジャッキアップして、捩じれを修正。最後に建物全体を約60センチ上昇させ、過去の地盤沈下による前面道路との段差を解消。
2)鐘楼
 下層部は鋼板耐震壁露出補強。上部は鉄筋コンクリート造の躯体を新設し、煉瓦仕上げにて外観復元。
3)外部壁体
 バットレスは鋼板内蔵補強。既存の二重煉瓦壁の空洞部はモルタルグラウト注入補強。
4)ギャラリ
 損傷部位を修復し、旧状復原。一部鋼管柱の補強。
なお、工事費は全て募金による。修復後に有形登録文化財となる。




ジャッキアップ状況


補強状況